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広島大学遺伝子実験施設運営状況
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1.概 要
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本施設は、平成元年4月に施設建物が完成し、同年5月より本格的に共同利用を開始した。新キャンパスの移転が完了し、移転学部の利用者は増加したが、広島市内にある医学部、歯学部の利用者が利用しにくいという問題がある。また、平成5年度より「遺伝子工学トレーニングコース」予算に基づき、学内はもとより、有料で学外の希望者に対しても公開し、遺伝子操作技術研修会を開催している。毎年学外からも多くの申し込みがあり、希望者は定員を上回っている。
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2.組 織
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施設長 山下一郎教授と田中伸和助教授、北村憲司助手が施設業務と研究活動に携わっている。施設の運営については本学15名の教官より成る運営委員会により審議され施設職員を中心に遂行されている。
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3.主要設備
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- 透過型電子顕微鏡
- RI/発光イメージ解析装置(モレキュラー・イメージャー)
- 膜電位測定装置
- フローサイトメーター(FACS)
- DNAシーケンサー
- 共焦点レーザースキャン顕微鏡
- 卓上超遠心機
- 全自動電気泳動ブロッテイング装置
- 生体分子自動精製装置(FPLC)
- 走査型電子顕微鏡
- 液体シンチレーションカウンター
- パーテイクルガン
- プラスミド自動分離装置
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4.利用状況(平成15年3月31日現在)
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総合科学部 | (4研究グループ) | 10名 |
理学部 | (14研究グループ) | 50名 |
工学部 | (1研究グループ) | 1名 |
生物生産学部 | (8研究グループ) | 31名 |
先端物質科学研究科 | (8研究グループ) | 26名 |
原爆放射線医科学研究所 | (1研究グループ) | 1名 |
遺伝子実験施設 | | 14名 |
合計 | | 133名 |
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5.行事・活動状況
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A.セミナー・講演会
- 第17回公開学術講演会
― 植物と動物の遺伝子科学 ―
- イネの形態改変と収量増産
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名古屋大学生物分子応答研究センター 松岡 信
- プラナリアの再生と進化生物学
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理研発生再生総合科学センター 阿形 清和
- メダカの性染色体と性決定遺伝子
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新潟大学理学部 酒泉 満
- 非ウイルス性生体遺伝子導入法の動物生産への応用
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名古屋大学大学院生命農学研究科 村松 達夫
参加者 | 110名 |
開催日 | 10月18日 |
開催場所 | 生物生産学部C-206号教室
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- 第23回遺伝子実験施設セミナー
- 卵丘細胞でCamp依存的に合成されるプロジェステロンのオートクライン的作用とそれが哺乳動物卵子減数分裂に及ぼす影響
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広島大学大学院生物圏科学研究科 島田 昌之
参加者 | 35名 |
開催日 | 11月15日 |
開催場所 | 遺伝子実験施設 |
- 第24回遺伝子実験施設セミナー
- 両生類における精子形成のメカニズム
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広島大学大学院理学研究科 山本 卓
参加者 | 35名 |
開催日 | 11月15日 |
開催場所 | 遺伝子実験施設 |
- 第25回遺伝子実験施設セミナー
- SCFユビキチンリガーゼとゲノム安定性制御
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英国王立癌研究基金研究所・細胞制御部門 片山 諭
参加者 | 25名 |
開催日 | 1月29日 |
開催場所 | 遺伝子実験施設 |
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B.遺伝子実験施設技術講習会
- 第11回 施設利用及びRI利用 説明会
講師 | 広島大学遺伝子実験施設 | 山下 一郎 |
| 〃 | 田中 伸和 |
受講者(新規利用者対象) | 8名(広島大学教官・学生) |
開催日 | 5月20日 |
開催場所 | 遺伝子実験施設 |
- 第19回遺伝子実験施設技術研修会
Post Expressionism
T7 Phage Display System
講師 | Novagen Inc. Dr.Annette Pownell |
受講者 | 30名 (広島大学教官・学生) |
開催日 | 7月17日 |
開催場所 | 遺伝子実験施設 |
- 第20回遺伝子実験施設技術研修会
レーザーキャプチャーマイクロダイセクションシステム
(ARCTURUS社 PixcellIIシリーズ)
講師 | ARCTURUS社 | Paul Diehl(PhD) |
| 〃 | 石井 早苗 |
| タカラバイオ株式会社 | 小西 治子 |
受講者 | 12名(広島大学教官・学生) |
開催日 | 9月17日 |
開催場所 | 遺伝子実験施設 |
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C.遺伝子操作技術研修会
- 第1回 基礎技術コース
(組換えDNA技術講習会(基礎))
- 組換えDNA実験の基礎的技術とその原理を習得する。また、安全性に対する考え方とそれに基づく実験上の注意事項について理解を深める。
- 組換えDNAの作成
- E.coliコンピテント細胞の作成
- プラスミドDNAの精製
- 染色体DNAの単離
- サザン・ハイブリダイゼーション
- 遺伝子情報解析
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講師 | 広島大学遺伝子実験施設 | 山下 一郎 |
| 〃 | 田中 伸和 |
| 〃 | 北村 憲司 |
受講者 | 30名(広島大学教官・学生: 9名/学外者: 21名) |
開催日 | 8月5日ー8月9日 |
開催場所 | 遺伝子実験施設 |
- 第2回 高等技術コース
(組換えDNA技術講習会(アドバンス))
- 「タンパク質のリン酸化の検出、及びタンパク質間相互作用」
- 酵母two-hybridによるタンパク質相互作用の解析
- 分裂酵母のリン酸化タンパク質のウェスタンブロットによる検出
- タンパク質のin vitro合成
- タンパク質間相互作用の観察
講師 | 広島大学遺伝子実験施設 | 山下 一郎 |
| 〃 | 田中 伸和 |
| 〃 | 北村 憲司 |
受講者 | 5 名(広島大学教官・学生:2名/学外者:3名) |
開催日 | 9月2日ー9月6日 |
開催場所 | 遺伝子実験施設 |
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D.遺伝子研修会
- 第1回「中学校・高校でできる遺伝子実習」
- 遺伝子実験操作技術の歴史と基礎理論(講義)
- 遺伝子技術の現状と将来(講演)
- 中学・高校でできる遺伝子実習(実習)
講師 | 広島大学大学院生物圏科学研究科 | 江坂 宗春
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| 広島大学総合科学部 | 浮穴 和義
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| 広島大学遺伝子実験施設 | 山下 一郎
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| 〃 | 田中 伸和
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| 〃 | 北村 憲司
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受講者 | 10名(広島県の中学、高校の理科教員)
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開催日 | 7月27、28日
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開催場所 | 遺伝子実験施設
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- 第2回「中学校・高校でできる遺伝子実習」
- 遺伝子実験操作技術の歴史と基礎理論(講義)
- 中学・高校でできる遺伝子実習(実習)
講師 | 広島大学遺伝子実験施設 | 山下 一郎
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| 〃 | 田中 伸和
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| 〃 | 北村 憲司
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受講者 | 4名(広島県の中学、高校の理科教員)
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開催日 | 10月16日
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開催場所 | 遺伝子実験施設
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6.専任教官の教育・研究活動
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当施設の教官は先端物質科学研究科分子生命機能科学専攻の協力講座として大学院生の教育に参加している。研究テーマは多様で、動物・植物・微生物を材料にして、真核生物の細胞分化における遺伝子発現の調節機構を解明することを目標にしている。
具体的には、メダカにおける性決定機構の解明、植物ホルモン(オーキシン)のシグナル伝達機構と根の分化の解明、酵母の性分化と減数分裂の解明である。
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7.課題・問題点
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トランスジェニック動物・植物の作成とこれを用いた研究に関する申請が多くなってきたが飼育スペースと光熱費が確保できないため、申請を却下せざるをえない現状である。さらに、施設経費の大幅削減は施設運営を著しく圧迫するものである。
また、一般研究機器が老朽化しており早急な対応が必要である。また、RI有機廃液焼却炉がダイオキシン規制のために使用不可になっている。
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